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創語変換 アーカイブ

2004年05月30日

興味範囲

初めてこの言葉をWeb上で見かけた時にはすぐ「興味本位」の間違いだろうと思ったのですが、検索結果の文章を見ると多くの人が(と言うより殆どの人が)「興味の範囲」の意味で使っていてちょっと驚きました。

[検索例]

  • 常日頃より自分自身の興味範囲を広げる努力をしていないと井の中の蛙になってしまいます。
  • 興味範囲が広く、テーマを絞れずにいる状態です。
  • 興味範囲外のことが知れて良かったです。etc……


考えてみればそれこそ“文字通り”の使い方であり驚く方がむしろ変なのかもしれませんが、私自身これまで「興味範囲」という言い方(言い回し)を殆ど聞いた事がなかったので実際違和感ありまくりでした。

単純に「興味の範囲」の省略形として使っているのかもしれませんが、なんだか「興味範囲」という四文字熟語があるかのような使われ方をしていてそれが私の違和感の原因となったのかもしれません。

ちなみに、当然ですが「興味本位」という言葉は辞書には載っていても、「興味範囲」という言葉は載っていません。


【興味本位】:おもしろいと思いさえすればよいという傾向。
「―の記事」(by goo辞書)


正しい使い方かどうかという事とは別に、現時点でこの言葉に違和感を覚える人とそうでない人との比率がどのぐらいなのか、ちょっと気になっています。

あくまで興味本位でですけど・・・。

「興味範囲」を知る為のgoogle検索。

将来、新しい熟語として定着して辞書に載る可能性は何パーセント?


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2005年08月05日

怒り浸透

怒り浸透:怒りがジワーッと心の中に浸透してくる様子

慣用句「怒り心頭に発する」から派生したとみられる新語表現。
多くの人が「心頭」の誤り(誤変換)としてではなく、自ら意図して「浸透」を使用。

[例]
・心は怒り浸透し、顔色、表情がかわる
・怒鳴りたくなるほど怒り浸透しました
・僕としては、怒り浸透中です
・怒り浸透してアタマに血がのぼった
etc……

「しんとう」が「心頭:心。心中。」であるという認識はなく、“自由な発想”で「浸透」を選択している。

「怒り心頭に発する」という言葉全体の意味を保持したまま「怒り心頭!」と略す表現(習慣)がすでにある程度一般化しており、その言葉を耳で聞いて新たに意味を付与し「怒り浸透」と脳内変換した結果なのではないかと推測できる。

「怒り浸透」を知る為のgoogle検索。(本日現在 約 760 件)


言葉通りの意味において正しい使い方と、やっぱりなんだかおかしい使い方とが混在している類似表現
怒りを浸透」(本日現在 約 9 件)
怒りが浸透」(本日現在 約 46 件)

そもそも「怒り」って浸透するものなの?


関連:「怒り心頭にどうするの?


「心頭を滅却すれば火もまた涼し」の心頭ですよ。

2005年09月15日

「進化が問われる」

「進化が問われる」:どれぐらい進歩、或いは成長したかを試されること。

[例]
・そんな状況だからこそ2年目の進化が問われる
・女子サッカーの発展の進化が問われる試合です
・役者としてのより一層の進化が問われる
・活動の質と進化が問われる時代になった
・チームとしての進化が問われる
etc……

本当は「真価が問われる」で「人や物のもつ真の能力や価値が試される」という意味の言葉なのですが、まるでどこかで枝分かれをしたかのように、読みが同じで意味の異なる漢字によって“もう一つの”慣用句として一人歩きし始めているようです。

使い方として、もう最初から「進化」しかないと思っている場合と、“オリジナル”が「真価」であると分かった上で両者を使い分けている場合とが見られます。

[意図的に使い分けている例]
・これからその真価と進化が問われるのだ
・真価が、いや進化が問われるこのレース?!
・今年こそ真価+進化が問われる1年
etc……

一種洒落っ気のある文章表現として日記やエッセー等で使う分には一向に構わないと思いますが、“オリジナル”を忘れて公的な書類などで使ってしまうと単に「言葉を知らない」人としか思われないので十分注意する必要があります。

「進化が問われる」を知る為のgoogle検索。(本日現在 約 670 件)

2005年10月24日

良販店

「量販店」から派生し、「サービスの質が高く、良い物を安く売っている店」という意味で使われたり使われなかったりしている新語表現。

「良販店」の検索結果。(本日現在 約 216 件)

[使用例]

  • メンテナンスまで手がける数少ない良販店
  • 雑誌を見ると味噌糞一緒で掲載されており、どの店が良販店かわかりません
  • アキバの良販店 サポートも安心丁寧ですetc……

実際単なる勘違い表現でしかないのですが、そんなことはお構いなしにもう一つの「リョウハンテン」として使い続けられていく気がします。


[半信半疑だったり、あくまで言葉遊びとして使われている例]

  • 家電量販店が良販店になることはあるのか ...
  • 良かった地元の量販店(良販店?)で買って・・・
  • 多彩で良心的な良販店etc……

このように一種のシャレとして使われている例の方が今のところまだずっと多いというのが救いなのかもしれません。

蛇足ですが
量販店 : 大手スーパーマーケットや大型店舗の専門店など、大量に商品を販売する小売店。(by goo辞書)

2006年08月09日

二度足を踏む

2回足を踏むという意味ではなく、「二度手間になる」或いは「二の舞を演ずる」の意味で使われるうろ覚え表現。
似たような言葉である「二の足を踏む」の意味で使われている例がほとんど見当たらないのはむしろ不思議です。

[検索例]

  • ちなみに役所は午前中休んでいて、二度足を踏むハメに
  • 不在時に訪問して二度足を踏むのを避けることができます
  • あやうく初代女王ニースの二度足を踏む所であったetc……

検索結果では「(本当は一度で済むはずだったのに)同じ所に二度行くはめになった」というニュアンスで多く使われているようです。
ちなみに、今のところ複数のWeb辞書と手元にある国語辞典には「二度足」という表現は載っていないのですが、「二度足になる」というような表現は最近よく耳にするし、これから普通に使われるようになっていくのかもしれません。

二度足を踏む」(本日現在 約30件)

参考:「二度足に

【二の足を踏む】:決断がつかず実行をためらう。しりごみする。
(by goo 辞書)

2006年09月21日

一転二転する

「二転三転する」の比較表現。
「二転三転」している状況と比較して、それほど変化の度合いが大きくないときに使われる。

[検索例]

  • 先が読めない一転二転する斬新な脚本
  • 刑事、民事共に判決が一転二転するありさま
  • 質問に対しても回答が一転二転するetc……

「一転二転する」を知る為のYahoo!検索。(本日現在 約530件)

本当は「一転する」と「二転三転する」がごちゃまぜになってしまったうろ覚え表現なんだと思いますが、必ずしも言葉の使い方として間違っているとも言い切れないのでこのまま一定の割合で使われ続けていく気がします。

【一転】:がらりと変わること。
【二転三転】:情勢・態度などが次から次へ変わること。
(by 明鏡国語辞典)

「二転三転」の場合は、その意味を「二度も三度も」というような“回数として”とらえることができると思いますが、対して「一転」は、あるものの“状態の変化”を示す表現なので、「一転」と「二転」とを繋げて一つの言葉とするのには無理があるんじゃないでしょうか。

結局「一転」を「一回」の意味としてとらえて使ったのだと考えられますが、それだと全然「次から次へ」というめまぐるしいニュアンスは伝わらないので、やっぱり初めから「二転三転」にすればいいのにと思うのでした。

類似エントリー:「二点三点する

2007年04月15日

加熱報道

【過熱報道】:限度を超えた行き過ぎた報道のこと。
【加熱報道】:その報道の過激さゆえに、報道自体が逆に取材対象に対して影響を及ぼす状態、またはその報道をいう。

「過熱報道」はあくまでその行き過ぎた報道の状態を表しているのに対し、「加熱報道」には、その取材対象に働きかけて事態をより活性化させる(ヒートアップさせる)という動的な意味が加えられています。


「加熱報道」なんていう言葉は本当はないんですけど、けっこう変換ミスとしてではなく上記のようなニュアンスを感じさせる文章が見られます。
単純な変換ミスの方が圧倒的に多いであろうその一方、「過熱」が正しいということを知らずに(要するに文字通りの単純な変換ミスとしてではなく)、初めから疑うことなく「加熱」で確定しているケースもあるような気がします。

[検索例]

  • こうした加熱報道に大きな危惧感を持っている
  • 連日の加熱報道振りは異常ですね
  • マスコミの加熱報道にも原因があるのではないかという批判etc……

その意図はともかく「加熱」はあくまで「熱を加えること」なので、ジョークなりウィットであることの注釈を付けずに使うのは避けた方が良さそうです。

「加熱報道」を知る為のYahoo!検索。(本日現在 約787件)

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2007年05月17日

エゴひいき

【エゴひいき】:自己中心的な物の考え方、もしくはそのような考え方をする人の肩を一方的にもつこと。

こう思って使っている人が本当にいるんだかいないんだかよく分からない「えこひいき」の“創語変換”。

[検索例]

  • 教師は子どもをエゴひいきするなと要求されます。
  • 特定の人だけエゴひいきなんてオレにはできません。
  • そんなのエゴひいきだと不満の○○くんetc……

実際はほとんどの人は「えこひいき」の意味で使っているようです。当たり前ですけど。
ただ、検索結果の中には(正しくは「えこひいき」であると分かっていて)独自の意味を持たせて使っている例も見られました。

■エゴひいき=他人には厳しいくせに自分にだけ甘いこと。
■「ego」+「贔屓」→「自分勝手な理由で愛用してる事」の造語。
(いずれも検索結果より)

「エゴひいき」を知る為のYahoo!検索結果。(本日現在 約26件)
同google検索結果。(本日現在 約22件)

えこひいきにならないよう今回はgoogleとYahoo!両方の検索結果を載せてみました。


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2008年02月03日

臨機応戦

明らかに「臨機応変」の誤りと思われるのですが、「戦いの局面において臨機応変に対応する」という意味の短縮表現として使われている例が多く見られます。

[検索例]

  • その場にある武器で臨機応戦で挑むんです。
  • 必死に臨機応戦したのですが、やはり勝てませんでした。
  • ゲリラ戦の基本は臨機応戦だからね。etc……

「臨機応戦」を知る為のgoogle検索。(本日現在 実質 40件)

「臨機応変」という言葉があり、その上で更に別表現として「臨機応戦」を使っているのだということであれば、ご自由にとしか言いようがありませんが、実際に使える場面はかなり限られてくると思うので、文字通りの臨機応変な対応が求められるでしょう。

【臨機応変】:その時その場に応じて、適切な手段をとること。また、そのさま。 「―な(の)処置」「―に行動する」 (by Yahoo!辞書)


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2008年02月28日

事前の策

元々「じぜんのさく」に当てはまる漢字は「次善の策」しかないはずなんですが、「事前」でも文脈によっては普通に意味は通るし、でもやっぱり違和感があるし。

そんな風に思いながらどうこのエントリーを書こうか迷っていたところ、検索結果の中に某掲示板でのこの言葉についてのやりとりを偶然見つけ、それが私の言いたかったことにジャストフィットしておりましたので、今回その部分を引用します。

「ジゼンノサク」っていったら、「次善の策」しかねえんだよ。

もともと「策」のまえの「じぜん」は次善だったんだが
まあある意味誤用というか、意味も通るし読みも同じなので「事前」を使う人も
増えたっていうだけで、「じぜんのさく」を漢字で書けっていうテストで「事前」って
書いたら今のところは点はもらえんよ。

事前の策でも意味は通じるからいいと思う・・・が、
正しい日本語の慣用句としては認められない。造語ってヤツだな。

(2chゲーム板2002年7月の書き込みより)

うん、そうだそうだと思いながら読みました。

用法的に正しいかどうかは別にして、公的な文書になればなるほどその中で使うと違和感を持たれる割合も多くなり、できれば使用を避けたい言葉と言えるんじゃないでしょうか。

[検索例]

  • 災害に対する事前の策として防災対策投資の必要性が認識され始めている
  • 発生後の対応が難しいなら、事前の策を考えるべきだろう。
  • 何事においても事前の策、予防が肝腎です。etc……

検索結果を見ると、実際文字通りの「“事前”の策」の意味で使っている人の方がずっと多くて、「次善の策」の変換ミスと思われる用法はむしろ少ないかもしれません。


じ‐ぜん【次善】:最善とはいえないが、それに次ぐものであること。「―を選ぶ」「―の策」
じ‐ぜん【事前】:事の起こる前。事を行う前。「―に話し合う」⇔事後。
(by Yahoo!辞書)

「事前の策」を知る為のgoogle検索。(本日現在 約 8,910 件)


慈善の策」までいっちゃうと、さすがにちょっとどうかと思います。(本日現在 実質 19件)


【関連エントリー】:不足の事態

2008年05月22日

油断を許さない

とてもメジャーなうろ覚え表現の一つではありますが、検索してみたら意外に指摘しているサイトが少なかったのでとりあげてみました。

本当は「油断を許さない」ではなく「予断を許さない」です。


【予断】:前もって判断すること。予測。「形勢は―を許さない」
◇予断する|predict
(by Yahoo!辞書)


実際に検索結果をよく見ていくと、単なる変換ミスなどではなく、最初から「油断してはいけない」「油断大敵」「気を抜けない」というような意味合いで使われている例が少なくないのが分かります。

[検索例]

  • しょっちゅうハラハラさせられる油断を許さない作品だなあとしみじみ思う。
  • 一瞬たりとも聴き手に油断を許さない別格の緊張感を放っている。
  • 何時如何なる時も全く油断を許さない展開etc……


そもそも「予断を許さない」という表現があること自体を知らずに、「予断」を「油断」とどこかで聞き覚えてそのまま一つの言い回しとして本来とは異なった意味でインプットし、そのまま使うようになったというケースも多いのではないでしょうか。


そのように考えていくと、この「油断を許さない」という表現は、今でこそ「間違い」であると指摘されますが、今後この言い回しを使う人が増えていくに従い、一つの定型表現として認知される日が来るかもしれません。


そんなこと絶対有り得ないと思いますか?
検索結果を見る限り、まったくもって予断を許さない状況だと思うのですが。
なんつって。


「油断を許さない」を知る為のgoogle検索。(本日現在 約 2,870 件)


余談を許さない」(本日現在 約 5,940 件):「余計な話はするなー!!」っていうことでしょうか。
こっちの方は完全に誤変換ですね。

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